精神保健福祉士の資格が取れるおすすめ通信制大学4選!精神保健福祉士に関する基礎知識やキャリアパスなど徹底解説

近年、精神保健福祉士の需要はますます高まり、2024年の2月時点で資格の登録者数は10万人を超えました。精神保健福祉士の資格は、様々な取得ルートがありますが、中でも「通信制大学」で資格取得することがオススメです。(参照元:公益財団法人社会福祉振興・試験センターHP

なぜなら、通信制大学は子育てや仕事をしながら、場所や時間に縛られず、自分のペースで学ぶことができるからです。さらには、座学と合わせて実習など実務経験を積みながら、理論を学ぶことができ、実践的なスキルを身に付けることもできます。
また、通信制大学には金銭的なメリットも多く存在し、通学しながら取得する方法に比べ、約半分以下に抑えることも可能です。

この記事では、精神保健福祉士の資格が取れるおすすめの通信制大学、精神保健福祉士についての基礎知識、役割、キャリアパスなどについて詳しく解説していきます。

目次

精神保健福祉士の資格取得ができるおすすめ通信制大学4選

まずは、精神保健福祉士の資格取得ができるおすすめの通信制大学を4校ご紹介します。

①日本福祉大学 通信教育部

日本福祉大学 通信教育部の特徴は、精神保健福祉士国家試験合格者数が13年連続全国1位で精神保健福祉士の資格取得を目指す人に、最も多く選ばれている大学と言えます。

日本福祉大学 通信教育部の学習は、通信制大学として日本初の24時間いつでも学習可能なインターネット学習システムが整備されています。スマートフォンやタブレットなどで視聴可能で、仕事や子育てなど忙しい社会人にとっても学習しやすい体制が魅力です。単位取得もレポート不要で、インターネットで完結する点もポイントです。(一部、スクーリング科目は、スクーリングの最後に実施する科目修了試験のレポート提出の結果で単位認定)

精神保健福祉士の試験合格に試験合格に向けた実習環境が充実しており、「社会福祉実習教育研究センター」も解説しています。また、提携の実習施設90施設あり、東京都・愛知県にて資格科目スクーリングを開催しています。

②東京通信大学 人間福祉学部 精神保健福祉コース

東京通信大学の特徴は、精神保健福祉士国家試験合格率の高さです。第26回精神保健福祉士国家試験合格率について、東京通信大学は77.8%で、全国平均70.4%より高い合格率でした。

東京通信大学カリキュラムは、精神保健福祉士や相談援助を行うソーシャルワーカーとして必要な科目がしっかり組まれています。専門教育科目では「ソーシャルワーク」「包括的支援体制の基礎」「社会福祉」「精神保健福祉」「総合人間」「フィールドスタディ」の6つの分野を総合的に学び、従来の専門的福祉教育に加え学ぶことができます。また、現場での実習も重視されており、これにより、学生は実際の現場での経験を積むことができ、即戦力としての高い実践スキルを身につけることができます。

③聖徳大学 通信教育部

聖徳大学 通信教育部の特徴は、精神保健福祉士の資格取得に向けて、経験豊富な教員による充実の国家試験対策です。第25回精神保健福祉士国家試験合格率は79.3%と高く、社会人でも限られた時間で効率的に学習することができます。また、「体験型スクーリング」も魅力の一つで、数多くのケーススタディに触れる実践的な授業が受けられます。指定推薦奨学制度や実習免除制度を利用し、働きながら学びやすい支援制度や環境が整っています。

聖徳大学 通信教育部の学習は、自宅学習がメインです。教科書や学習指導書を活用して、レポート提出をする形式です。通学課程と同じ講師が添削するので、安心した学習成果を得られるでしょう。

④中部学院大学 通信教育部 人間福祉学部

中部学院大学 通信教育部 人間福祉学部の特徴は、精神保健福祉士の資格取得と合わせて、認定心理士という心理の資格が取得できます。また、第25回精神保健福祉士国家試験合格率(新卒)は91.7%と高く、国家資格の合格力や対人支援スキルを効率的に学ぶことができる点が魅力です。

中部学院大学 通信教育部 人間福祉学部の学習は、居住地やライフスタイル等に合わせ、対面スクリーリングかオンライン/オンデマンドなどの受講形式を選択することができます。スクーリングの受講人数による制限や抽選などがなく開講されるため、効率的かつ計画的にスクーリング学習を進めることが可能です。

中部学院大学 通信教育部 人間福祉学部は、「学習アドバイザーによる学習サポート」「実習関連のサポート」「学費等の経済的サポート」と全方位的なサポート体制が整っています。

精神保健福祉士とは?

精神保健福祉士の資格概要

精神保健福祉士は、「精神保健福祉士法」にもとづく国家資格です。 心の病や悩みを抱えた人の生活を、さまざまな領域からサポートする精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)とも呼ばれ、心の病や悩みを抱えた人(クライエント:相談者)の日常生活や社会復帰を援助する専門職です。

精神保健福祉士の資格取得に必要な条件

精神保健福祉士の資格取得の条件としては、まず年1回実施される国家試験の合格が必須です。この試験に合格した後、精神保健福祉士登録名簿に登録し、資格登録証を受け取れば、晴れて精神保健福祉士として働くことが可能となります。ただし、国家試験を受けるためには、受験資格が定められており、取得するまでのルートは以下の複数のパターンのうちいずれかの要件を満たす必要があります

参照元:公益財団法人社会福祉振興・試験センターHP

精神保健福祉士の役割

精神保健福祉士に求められる主な役割は、以下の3つがあげられます。

①医療機関での福祉的支援

精神保健福祉士の、医療機関における役割は、以下のような福祉的支援が求められます。

  • 受診、入院・退院における相談支援
  • 患者およびその家族の支援と権利擁護
  • デイケア・集団療法などの集団支援
  • 居住問題、就労・就学全般の支援
  • 家族教室・家族心理教育

②当事者の社会復帰に向けた支援

精神保健福祉士は、地域移行、地域定着に向けて患者の社会復帰に関する相談を受け、適切な指導・助言をおこないます。具体的には、以下のような支援が求められます。

  • 看護師などと協働した訪問支援
  • 地域移行推進チームのコーディネート
  • ケア会議、地域自立支援協議会、その他関係機関・関係者との会議への参加
  • 社会資源(制度・人・サービスなど)に関する情報提供

③メンタルヘルスの新たなニーズへの対応

時代の変化とともに、精神保健福祉士には新たなニーズが生じています。以下が近年増えている新たな精神保健に関するニーズです。

  • 発達障害、子どものいじめ、不登校、ひきこもり、自殺未遂者支援
  • 妊産婦の自殺、または児童虐待などを起こす周産期精神障害
  • 過重労働、リストラ、非正規雇用などによる労働者の精神障害
  • 認知症の増加、または認知症とその家族に派生する社会的問題(虐待、介護うつなど)
  • 災害時の被災者へのメンタルヘルス支援
  • 薬物・ギャンブル依存などの依存症支援

精神保健福祉士の仕事の大変なことやりがい

精神保健福祉士の仕事内容で、大変なこととやりがいは、以下の点があげられます。

精神保健福祉士の仕事の大変なこと

精神保健福祉士は、心の病気や障害を持つ人々と接するため、感情的にも精神的にも負担がかかる場面があります。時にはクライエントから理不尽な要求や暴言を浴びせられたり、場合によっては、患者の自傷行為や自殺の現場を目撃するなど、非常に精神的にハードな仕事と感じる人も少なくはないかもしれません。

精神保健福祉士の仕事のやりがい

精神保健福祉士のやりがいは、患者やクライアントとの関わりを通じて、患者やクライアントの生活が改善され、精神的な健康を回復させる手助けができる点です。支援したことによって、目の前の人が回復していく姿を見られることに充実感を感じる人も多いといいます。
また、普段の日常生活では関われないような個性的なクライエントとの出会いの中で、自分の価値観を大きく広げられるような経験をすることもできるといいます。

このように、負担のかかる仕事であるため、セルフケアによるストレスマネジメントは必要ですが、対人のコミュニケーションが好きな人や好奇心が強い人にとっては、とてもやりがいのあるお仕事です。
また、行政機関や病院など、比較的に福利厚生が整った環境で働くことができるため、職場次第では長く働くことができる環境が整っているでしょう。

精神保健福祉士の資格取得後の働き方とキャリアパス

精神保健福祉士の資格を取得した後は、さまざまなキャリアパスがあります。精神科の医療機関や精神関連の福祉施設、行政機関など多方面で支援ニーズが高まっており、活躍の場は多岐に渡ります。

精神保健福祉士としての働き方(職種)

精神保健福祉士を取得した人は、どのような職種として活躍されている人が多いのでしょうか?以下は、精神保健福祉士登録者が勤める職種の割合のデータです。

  • 相談員・指導員(47.7%)
  • 施設長・管理者(12.2%)
  • 障害者相談支援専門員(7.5%)
  • 生活支援員(6.5%)
  • 事務職員(3.4%)
  • 介護支援専門員(3.0%)
  • 経営者(1.9%)
  • 介護職員(0.8%)
  • 児童自立支援専門員(0.2%)
  • その他(16.2%)
  • 無回答(0.7%)

参照元:(公財)社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士就労状況調査結果

上記のデータより、「相談員」や「指導員」として、職種に就いている精神保健福祉士は、約半数に上ります。また、社会福祉士の中で最も多い介護関連の仕事に就いている割合は、少ないことも特徴としてあげられます。

精神保健福祉士として働く職場とキャリアパス

精神保健福祉士取得後の働く職場とキャリアパスとしては、大きく以下の3つがあげられます。

①医療機関

精神科・心療内科の病院やクリニック、デイケアなどの医療機関です。通院中、入院中の患者の職場や学校、社会生活への復帰の支援をおこないます。
医療機関では、まずは相談員として経験を重ね、相談室の室長やデイケアのセンター長など年齢、経験とともにキャリアアップができます。

②福祉施設・機関

知的障害、精神障害に関する入所・通所施設、就労支援施設、就労継続支援事業所、地域活動支援センター、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など、多種多様な福祉関連の職場も活躍の場としてあげられます。
福祉施設では、相談員や支援員として、現場での経験を重ね、年齢、経験とともに徐々に施設長などの管理職へキャリアアップしていきます。

③行政機関

地方自治体の福祉事務所や精神保健福祉センター、学校のスクールカウンセラー、市町村社会福祉協議会、更生保護施設、保護観察所などの行政機関です。行政機関には、未経験で入庁するケースは少なく、医療機関、福祉施設などの現場経験を積んだ後、経験者として採用されるケースが多いです。
給料や福利厚生などの待遇面については全体で見ると、精神保健福祉士の中では、行政関係の職場が最も高待遇と言われています。現場経験を積んだ上で、行政機関にキャリアアップするパターンが多いです。また、ワークライフバランスの面でも、家事や育児と仕事を両立するために、行政機関に転職する人も多くいるため、長く働ける職場ともいえます。

精神保健福祉士を取り巻く環境

精神保健福祉士の活躍の場は、今後さらに多様化し、需要が高まっていくことが見込まれています。理由は大きく2つあります。

①精神疾患を有する患者数の増加

厚生労働省が2022年に発表した「精神疾患を有する総患者数の推移」では、精神疾患を有する総患者数は2002年が258万4000人であるのに対し2017年時点では約419万3,000人と15年で約1.6倍に増えています。
また、厚生労働省が行った医療計画の見直しにより、2013年度から、がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病の4大疾病に、「精神疾患」が追加され、今後もストレス社会の日本では、精神疾患を抱える患者への対応ニーズは増えると予想されるため、精神保健福祉士の需要も高まると考えられます。

②AIが進んでも残り続ける仕事

どれだけ技術が進み、優秀なチャットボットやAIの技術が進んだとしても、精神疾患の症状や特性を持つ患者は多種多様であり、一人一人の心に寄り添い、情緒的な関わりをすることは人間にしかできません。
このように、精神保健福祉士の仕事は、AIに変わる事が難しい仕事であり、将来的にも残り続ける仕事であると言えるでしょう。

まとめ

この記事では、精神保健福祉士の資格が取れるおすすめの通信制大学を紹介し、精神保健福祉士について、様々な角度で詳しく説明してきました。精神保健福祉士は、働くことの大変さもありますが、患者やクライアントが精神的な健康を支援できることにやりがいを感じられ、これからも需要のある職種です。キャリアステップなども参考にしていただき、あなたの未来づくりに少しでもお役に立てれば幸いです。

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