英語力を高めたい、あるいは英語の教員免許を取得したいと考えている方にとって、通信制大学は柔軟で現実的な選択肢です。忙しい社会人や、家庭と両立したい主婦・主夫の方でも、自分のペースで英語を学び、資格取得を目指すことができます。
本記事では、英語が学べる通信制大学の選び方から、教員免許の取得方法、学費やスクーリングの有無まで、わかりやすく徹底解説します。
- 通信制大学で英語を学ぶメリットと注意点がわかる
- 英語の教員免許を取得できる大学や必要な条件がわかる
- 学費・スクーリングの有無など各大学の特徴を比較できる
通信制大学でも英語は学べる?その魅力と特徴

働きながらでも、英語の学位や資格取得が可能に
近年、通信制大学でも「英語を本格的に学びたい」「英語教員を目指したい」といったニーズが増えています。
特に、社会人や主婦・主夫といった忙しい層からは、「時間や場所に縛られずに学べる通信制」が注目されています。
通信制大学は、通学の負担が少なく、自分のペースで英語力を高められるのが大きな魅力です。
文法や読解などの基礎に加えて、プレゼンテーション・実用英会話・英語教育・異文化理解といった分野まで幅広く学べる大学も少なくありません。
実は幅広い選択肢がある「英語系」通信制大学
「英語が学べる通信制大学」と一言で言っても、その内容や目的は大学ごとに異なります。
代表的には以下のような学びが用意されています。
- 英文学や英語コミュニケーションを専攻できる(例:日本大学、佛教大学など)
- 英語の中学・高校教員免許を取得できる(例:聖徳大学、武蔵野大学など)
- 一般教養として英語が学べる(例:放送大学、慶應義塾大学など)
- 英語力を活かしてキャリアに繋がる資格取得(例:TOEIC®/通訳案内士など)
つまり「英語を深く専門的に学びたいのか」「教員免許が欲しいのか」「実用英語力を身につけたいのか」によって、選ぶべき大学が変わってきます。
加えて、英語力の向上は、英語教員としてのキャリアだけでなく、国際業務・観光業・外資系企業など幅広い職種においても、大きな武器になります。
通信制大学はスクーリングや入学試験も柔軟
通信制大学の中には、完全オンラインでスクーリング(面接授業)なしの大学や、年に数回だけ通学が必要な大学など、ライフスタイルに応じて選べる設計になっています。
また、入試も学力試験なし・書類選考のみという大学が多く、英語に自信がない初心者でも安心してスタートできます。
英語を通信制大学で学ぶメリット・デメリット
メリット1:時間や場所に縛られず、学びを継続しやすい
通信制大学最大の魅力は、学習スケジュールの柔軟さです。
特に働きながら英語を学びたい社会人や、子育て中の主婦・主夫にとって、通学不要・オンライン完結型の講義は大きな利点になります。
たとえば、日本大学や放送大学のようにオンデマンド型で視聴できる講義では、「平日の夜だけ」「週末だけ」といったペースでも着実に単位が取得できます。
また、英語学習は継続が鍵。
通信制大学の仕組みは、無理なく英語に触れ続ける環境をつくる上でも効果的です。

メリット2:教員免許や資格も目指せる実用的なカリキュラム
多くの通信制大学では、単に英語力を高めるだけでなく、英語教員免許や通訳案内士などの資格取得に対応したカリキュラムが整っています。例えば
- 武蔵野大学・聖徳大学:中学・高校の英語教員免許を取得可能
- 佛教大学:実用英語に加え、文化や教育にも対応
- 放送大学:TOEIC対策科目や英語コミュニケーションも充実
このように、キャリアアップに直結する資格を「働きながら取得できる」のは、他の学び方にはない強みです。
メリット3:学費が比較的リーズナブル
通学制の私立大学と比べ、通信制大学の学費は年間5万〜30万円前後が相場です(例:放送大学は1科目12,000円〜)。参考:放送大学学費
「費用を抑えつつ、英語をしっかり学びたい」というニーズにも応えられます。
奨学金や分納制度も充実しており、経済的なハードルを感じる人にもおすすめできます。


一方で注意したいデメリットは以下です。
デメリット1:自主学習が中心のため、モチベーション維持が必要
通信制大学は基本的に自己管理が求められます。
誰かに強制されない分、計画的にレポート提出や学習を続ける意志が必要です。
「いつでもできる」が「後回しになる」こともあるため、学習スケジュールの自己管理が苦手な人にはややハードルがあるかもしれません。
最近では、通信制大学側も学習支援サービスや学生同士のオンライン交流を提供しており、「ひとりで学ぶ」不安を和らげる工夫が進んでいます。
デメリット2:英語の「話す・聞く」の実践機会は少なめ
通信制大学の英語科目では、文法・読解・リスニングなどを学べても、ネイティブとの会話やプレゼンなど、アウトプット機会がやや限られるという声もあります。
これに対しては、外部の英会話サービス(例:オンライン英会話など)を併用して補うのが現実的です。
デメリット3:大学により取得できる資格や学びの深さが異なる
通信制大学は学校によって対応する資格(教員免許・TOEIC・翻訳など)や専門性の深さに大きな差があります。
「通信制ならどこでも同じ」という認識は誤りで、目的に応じた大学選びが重要になります。


失敗しない学校選び5つのポイント(英語専攻の選び方)
通信制大学で英語を学ぶと決めたら、次に大切なのが「どの大学を選ぶか」です。
学費・スクーリングの有無・取得できる資格など、大学によって学べる内容やサポート体制は大きく異なります。
ここでは、目的やライフスタイル、英語レベルに合った大学選びのために、押さえておきたい5つのポイントを解説します。
1、目的に合ったカリキュラム・資格があるか
「英語を使った仕事に就きたい」「英語の教員免許がほしい」など、学ぶ目的は人それぞれ。
その目的に応じて、カリキュラムが組まれているか、必要な資格が取得できるかを必ずチェックしましょう。
たとえば、
- 英語教員免許を目指すなら → 武蔵野大学・聖徳大学・佛教大学など
- 幅広い教養や英語文化を学びたい → 放送大学・日本大学
- TOEICや英検など民間資格を活用したい → 自由選択科目が多い大学を検討
「英語が学べる」だけでなく、「何のために学ぶか」から逆算して選ぶことが失敗しないコツです。
2、英語レベルに合わせた学びやすさ
英語の習熟度は人それぞれ。大学によっては、文学や言語学など高度な英語力が前提のカリキュラムもあります。
そのため、現在の英語レベルに合わせた授業内容かどうかを事前に確認することが重要です。
たとえば、
- 英語初学者なら、基礎英語から段階的に学べる放送大学などが安心
- 中〜上級者なら、専門科目や研究テーマが選べる佛教大学や慶應義塾大学も選択肢に
- 英語4技能(読む・書く・聞く・話す)をバランス良く伸ばしたいなら、聖徳大学や武蔵野大学も候補に
自分のレベルに合っていないと、モチベーションが下がってしまうことも。**「今の自分にちょうどよい内容か」**を意識しましょう。
3、スクーリング(通学)の頻度と負担を確認
通信制といえども、大学によっては年数回のスクーリング(通学授業)が必須な場合があります。
たとえば、
- 放送大学:基本はオンライン中心、スクーリングは任意
- 佛教大学:教員免許取得にはスクーリング必須(集中講義など)
- 聖徳大学:一部対面型スクーリングあり(関東圏中心)
遠方に住んでいたり、仕事・家庭が忙しい人は、オンライン完結型や全国スクーリング対応の大学を選ぶと安心です。
4、学費・費用総額を比較する
通信制大学は通学制より安価とはいえ、大学によって大きな差があります。
学費だけでなく、スクーリング費用や教材費などもトータルで比較することが大切です。
ざっくりとした目安
- 放送大学:1科目12,000円〜(年間で3〜5万円台も可)
- 日本大学:年間約20万円前後〜
- 武蔵野大学・佛教大学など:年間約20万円前後〜
「英語学習にどこまで投資できるか?」を明確にし、無理のない予算で選ぶようにしましょう。


5、卒業までのサポート体制・卒業率
通信制大学では卒業率が低い大学も存在します。
英語のように継続が必要な科目こそ、学習サポートや相談体制が充実している大学を選ぶのがポイントです。
▼チェックすべきポイント
- チューター制度があるか?
- オンラインで教員とやり取りできるか?
- 学習計画のサポートや質問のしやすさは?
最近では、通信制大学でも学習支援サービスや学生同士のコミュニティ形成が進んでおり、孤立しがちな英語学習も継続しやすくなっています。
英語が学べる通信制大学【一覧比較】


英語を専門的に学べる通信制大学や、英語教員免許の取得が可能な大学を比較形式で紹介します。
「英語力を伸ばしたい」「教員免許を取りたい」「できるだけ安く・通学なしで学びたい」など、目的に合わせた大学選びの参考にしてください。
【目的別】おすすめ通信制大学まとめ
目的 | おすすめ大学 | 特徴 |
---|---|---|
英語を専門的に学びたい | 日本大学/佛教大学 | 英文学・英語学・文化まで学べる体系的なカリキュラム |
英語の教員免許を取りたい | 日本大学/武蔵野大学/聖徳大学/慶應義塾大学 | 中学・高校教員免許(英語)を卒業と同時に取得可能 |
通学が難しい/働きながら学びたい | 放送大学/佛教大学 | 放送授業・Zoom・オンデマンドで全国どこでも学べる |
コストを抑えたい | 放送大学/佛教大学 | 4年間で77万円〜。通学課程の約1/2〜1/3の学費 |
難関大学で学位を取りたい | 慶應義塾大学 | 英文学も学べる。通信制最難関のブランド校 |
【比較表】主要大学の学費・スクーリング・免許・特色まとめ
大学名 | 総額学費(目安) | スクーリング | 教員免許 | 卒業難易度 | 主な特色 |
---|---|---|---|---|---|
日本大学 | 約80万円 | 一部必須(土日対面+オンライン) | 中高英語一種 | 中 | 英文学専攻あり/全国対応のメディア授業 |
佛教大学 | 約89万円 | 30単位必須(Zoom対応多数) | 中高英語一種+特支可 | 易〜中 | 英語・文化+複数資格取得に対応/全国スクーリング |
武蔵野大学 | 約105万円 | 30単位以上(対面・Zoom・録画対応) | 中高英語一種 | 中 | 教育学×英語/心理学も履修/WBT完備 |
聖徳大学 | 約92〜93万円 | 夏期・週末対面中心+オンライン併用 | 中高英語一種+司書等 | 中 | 英語4技能+文化/資格多数/個別相談あり |
放送大学 | 約77万円 | 任意(TV・ネット授業が主) | △(追加免許のみ) | 易 | 英語科目が豊富/自学スタイル/全国学習センター |
慶應義塾大学 | 約90〜95万円 | 30単位必須(三田対面中心) | 中高英語一種 | 難 | 英文学+高評価の慶應ブランド/卒業難度高 |
英語が学べる通信制大学別の特徴まとめ
日本大学 通信教育部(文理学部 英文学専攻)
- 英文学を専門的に学べる
- 教職課程で中高英語免許取得可
- 教育実習等は東京のキャンパス通学が必要
- 年間学費:約14.85万円〜/4年間:約80万円
こんな人におすすめ: 英文学を体系的に学び、教員免許も取りたい社会人
佛教大学 通信教育課程(文学部 英米学科)
- 英語学・文化・英語圏のポップカルチャーも学べる
- Zoom・動画・対面で柔軟に単位取得可能
- 司書・学芸員など資格も充実
こんな人におすすめ: 英語と文化を深く学びながら資格も取りたい人/全国どこでも学びたい人
武蔵野大学 通信教育部(教育学部 英語科専修)
- 教職科目に特化し、心理学も学べる教育学士
- Zoomやオンデマンドなど柔軟な履修形式
- 教員免許取得率・卒業率も高め
こんな人におすすめ: 教員志望で計画的に履修したい人/心理学や人間理解にも関心がある人
聖徳大学 通信教育部(文学部 国際文化コミュニケーションコース)
- 英語4技能+文化をバランスよく学べる
- 夏期・週末スクーリング中心/多くがオンライン対応
- 中高教員免許+司書・学芸員など複数資格も対応
こんな人におすすめ: 働きながら複数資格取得を目指す人/教育実習サポートも重視したい人
放送大学(教養学部)
- 英語音声学・英作文・英語史など科目が豊富
- 教員免許の初取得は不可(追加免許取得向け)
- 授業はTV・ラジオ・オンデマンド中心
こんな人におすすめ: 英語の教養を深めたい人/低コストで自由に学びたい人
慶應義塾大学 通信教育課程(文学部)
- 英文学の履修+中高英語教員免許の取得が可能
- 夏期集中や週末スクーリングが主体/三田通学あり
- 難易度が高く、計画的履修が求められる
こんな人におすすめ: 難関校で英語教員を目指したい/「通信の慶應」ブランドを重視する人
通信制大学で英語を学ぶときのポイント
- 免許取得が目的の場合: 教職課程の有無・実習の対応・通学負担を確認
- 英語力アップが目的の場合: 英語専門の学科/授業数が豊富な大学を選ぶ
- 働きながら学びたい場合: スクーリングの形式(オンライン対応)が重要
- 費用が気になる場合: 総額費用とスクーリングの有無で比較
よくある質問と回答(Q&A)
まとめ|英語が学べる通信制大学を正しく選ぼう
通信制大学は、働きながら学びたい方や英語教員を目指す方にとって、非常に有効な進路のひとつです。近年ではオンライン授業の普及や学費の低価格化が進み、以前よりも柔軟に学べる環境が整っています。
特に英語を学べる通信制大学は、次のようなニーズに対応しています。
- 英語を専門的に学びたい人 → 日本大学・佛教大学など
- 英語教員免許を取得したい人 → 武蔵野大学・慶應義塾大学・聖徳大学など
- コスト重視・通学を避けたい人 → 放送大学・佛教大学など
自分の目標やライフスタイルに合わせて、「何を学びたいか」「どんな資格が欲しいか」「どれだけ通学可能か」を整理したうえで選ぶことが大切です。
また、免許取得を目指す場合は、スクーリングや教育実習のスケジュール、教職課程の有無、卒業率などのチェックポイントも忘れずに確認しましょう。
通信制大学選びのポイント(おさらい)
- 英語の学位・教員免許が取れる大学か?
- 学費・スクーリング・通学負担は自分に合っているか?
- 働きながらでも無理なく卒業・免許取得できるカリキュラムか?
将来のキャリアや学びの可能性を広げるためにも、まずは各大学の資料を取り寄せて比較検討することが第一歩です。気になった大学があれば、ぜひ公式サイトや資料請求で詳細を確認してみてください。