通信制大学のランキングについて解説!卒業しやすい大学5選

「働きながら、自分のペースで学習したい」
「大卒の資格が欲しいけど、大学へ通うのは難しい」
「通信制大学に興味があるけど、入学は難しいのかな」と、お考えの方も多いでしょう。

通信制大学は、「入学は簡単だが、卒業は難しい」と言われています。選考は、提出書類や面接のみで行うのが一般的。「偏差値」を基準にしたランキングはないため、志望大学への入学は難しくありません。一方で、通信制大学の卒業率は10%程度というデータもあり、狭き門と言えるでしょう。

そのため、通信制大学は、「卒業のしやすさ」や「単位の取りやすさ」で選ぶのがおすすめです。こちらの記事では、卒業しやすい通信制大学の条件を5つ解説します。キョウヲイク編集部が選んだ「卒業しやすい通信制大学」も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

参照)神戸院大学「データから見る大学通信教育」

目次

卒業しやすい通信制大学の条件5つ

「卒業のしやすさ」は「単位の修得しやすさ」と同義とも言えます。通信制大学の入学者の中には、資格取得を目的として卒業しない人もいます。大学が公表している「卒業率」と「単位修得率」の両方を参考にしましょう。

また、通信制大学で挫折してしまう原因には、次のようなものが考えられます。

  • 勉強する時間がとれない
  • 独学がつらい
  • 試験日に都合がつかない
  • 卒業論文に取り組むのが難しい

これらの挫折ポイントを避けるために、おすすめの条件を解説します。

1.eラーニングでスキマ時間に学習できる

フルタイムで働いていたり家事や育児で忙しかったりすると、学習時間の確保が難しいケースもあるでしょう。eラーニング(e-Learning)を取り入れている通信制大学なら、スキマ時間を活用できます。

eラーニングとは、パソコンやタブレット、スマートフォンを使った学習形態です。インターネット環境さえあれば、時間や場所を選ばず、仕事の休憩中や、家事の合間に少しずつ学習を進められます。

2.スクーリングに参加しやすい

通信制大学で単位を修得する方法には、大きくわけて「在宅学修」と「スクーリング」の2種類があります。比較的、単位を取りやすいのはスクーリングと言えるでしょう。

単位を修得するまでの一般的な流れで、比べてみましょう。

在宅学習

  • テキストや参考文献を読み込む
  • レポートを作成・提出する→合格点をもらう
  • 単位修得試験を受験する→合格する
  • 単位修得

スクーリング

  • 数回の授業を聴講する
  • 最終日に試験を受ける→合格
  • 単位修得

このように、単位修得までのハードルが低いのが、スクーリングです。スクーリングの方法も大学によってさまざま。「対面スクーリング」「オンラインでライブのスクーリング」「オンデマンドでスクーリング」など、自分に合った方法を提供している通信制大学を選びましょう。

3.単位履修試験をオンラインで受けられる

在宅学習で単位を修得する場合、最後の関門が「単位履修試験」になります。通常は、大学が指定した日程・会場で受験しますが、オンライン受験できる大学がおすすめです。

試験会場まで出向かなければいけない場合、なかなか日程を合わせられないこともあるでしょう。科目履修試験をWeb受験にしている大学であれば、時間の都合もつけやすくなります。

4.卒業論文が必須ではない

卒業までの労力を極力減らすのであれば、卒業論文(卒業研究)が必修科目でない通信制大学がおすすめです。

卒業論文を完成させるには、大量の資料を読み込んで数千文字のレポートを執筆し、教授との卒論面接が必須となります。卒業論文が必修かどうか、志望大学のシラバスを事前に確認しましょう。

5.相談サポートが充実している

通信制大学では、学習面や履修計画についてのサポートの手厚さが鍵になります。毎日大学に通えないため、チャットや電話でのサポートが充実している大学がおすすめです。

とくに、通信制大学の履修計画は複雑で、次のような複数の要件を組み合わせる必要があります。

  • 学習できる期間
  • レポートの提出期限
  • 科目履修試験の日程
  • スクーリングで受けられる科目

卒業年間近になって「単位が足りない」とならないよう、相談にのってくれる窓口があれば安心です。

卒業しやすい通信制大学の条件5つ

ここからは、次の条件を元に編集部が選んだ「おすすめの通信制大学」を5つ紹介します。

  • eラーニングで学べる
  • スクーリングに参加しやすい
  • 卒論が必修単位ではない
  • 相談サポートが充実している

フルタイムで働いている方や家事・育児で忙しい方でも、学習を継続しやすい通信制大学を厳選しています。ぜひ参考にしてくださいね。

1.東京通信大学

フルタイムで働いていたり家事や育児で忙しかったりすると、学習時間の確保が難しいケースもあるでしょう。eラーニング(e-Learning)を取り入れている通信制大学なら、スキマ時間を活用できます。

東京通信大学は、IT・福祉分野に特化した大学です。初年度2学期目の履修継続率は、96.3%(2023年度実績)と、高い継続率を誇っています。2学期目も登録した単位を履修できているということは、1学期目の単位を順調に修得できたということです。

通学ゼロでも卒業できる「オンライン完結型」なので、忙しい方でも学習を継続しやすいのが魅力です。

東京通信大学
eラーニング24時間いつでも受講可能
スマホアプリならオフラインでも学べる
スクーリングオンライン授業
※一部の資格取得ではスクーリングや実習が必要
単位履修試験試験期間中は、24時間オンラインで受験できる
卒業論文選択科目
学習・相談サポートアカデミック・アドバイザー(履修相談)
担当科目教員(学習相談)

2.産業能率大学

産業能率大学の通信教育過程では、社会科学・心理学・医療福祉などを学べ ます。入学者の約8割が3年次編入生で、そのうち72.8%が標準学習期間である2年で卒業できています(2023年3月度卒業生)。

産業能率大学
eラーニングなし。テキストによる学習がメイン。
スクーリング3タイプのスクーリングを用意。
・オンライン(ライブ)
・オンライン(オンデマンド)
・通学
単位履修試験Webで受けられる
試験期間は7日間で、試験日や科目を選べる。
卒業論文必須ではない(選択科目)
学習・相談サポート学生会

産業能率大学では、在学生による「学生会」が組織されています。在宅での学習は孤独になりがちですが、全国各地で開催されている学習会への参加も可能。 同じ環境で学ぶもの同士のつながりは、精神的な支えになるでしょう。

3.東京未来大学

東京未来大学では、幼稚園教諭や小学校教諭など、「子どもの教育」に関わる免許状を取得できます。

卒業のしやすさ、単位の取りやすさについては、卒業率 55.2%、単位修得率87.2%と高い数値を誇っています(2022年度実績)。資格取得などの目的を達成したら退学(修了)する学生もおり、卒業率にはカウントされていません。

※単位修得率:履修登録した学生のうち何割の学生が単位修得できたのかを表す数値

東京未来大学
eラーニングなし。テキストによる学習がメイン。
スクーリング・オンライン(ライブ)
・オンライン(オンデマンド)
・対面
単位履修試験Web受験(2週間おきに受けられる)
卒業論文必須ではない(選択科目)
学習・相談サポートキャンパスアドバイザー(CA)制度

入学生にはそれぞれ、担当の「キャンパスアドバイザー(CA)」が割り振られます。履修の相談や学習中の不安など、なんでも相談できるので安心です。

4.放送大学

放送大学では、教育・福祉・情報学など、幅広い分野を学べます。すべての授業がオンラインで視聴でき、全国に57箇所の「学習センター」があります。オンラインと対面、自分に合った学習方法を選べるのが魅力です。

※卒業率は公表されていません

放送大学
eラーニングテキスト+オンライン授業の視聴
スクーリング・対面スクーリング
・オンラインスクーリング
単位履修試験Web受験
卒業論文必須ではない(選択科目
学習・相談サポート学習センター・サテライトスペースが、全国に57箇所ある。

「学習センター・サテライトスペース」では、放送授業を再視聴したり、学習相談を受けたりできます。在宅での学習だけでなく、通えるキャンパスがあるのも嬉しいポイントです。

5.サイバー大学

サイバー大学は、ITとビジネスに特化した、フルオンラインの通信制大学です。半数以上が社会人学生であるにもかかわらず、2学期目の履修継続率は91.1%と高い数値を誇っています。

サイバー大学
eラーニング独自のプラットフォーム「Cloud Campus」で、すべて完結
スクーリング
単位履修試験
卒業論文必修
学習・相談サポートサポートセンターで質問や相談を受け付けている

サイバー大学では、卒業論文が必修です。指定されたテーマでプレゼンテーション発表をし、最終レポートを提出します。

サイバー大学については、こちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ 通信制大学はランキングより卒業しやすさが大事

入学は簡単ですが、卒業のハードルが高いのが通信制大学です。この記事では、卒業しやすい(単位を修得しやすい)通信制大学の条件を紹介しました。おすすめの条件をまとめると、次のとおりです。

  • eラーニングで学べる
  • スクーリングに参加しやすい
  • 卒論が必修単位ではない
  • 相談サポートが充実している

卒業や単位習得などの目標を達成するためにも、自分に合った通信制大学を選ぶことが大切です。大学が提供しているスクーリング方式や学習スタイルなどを確認して、大学選びをしましょう。

目次